東京メトロの浅草駅と浅草寺の間には、地元の人もほとんど知らない不思議な地下通路がある。
その地下通路は数百メートルも続く巨大なもので、入口は東京メトロ銀座線にある。「浅草地下商店街」は1955年(昭和30年)に開業した現存する日本で一番古い地下商店街である。
画像元:Wikipedia
上の画像は浅草駅の8番出入口で、掲げられた案内看板には「浅草地下街」の文字を確認できる。この写真は2009年(平成21年)に撮影されたもので、現在は看板が新調されておりデザインが変わっている。
地下通路は銀座線の浅草駅から直結し、その出口は新仲見世通りへとつながっている。その地下商店街の一番奥に浅草寺につながる謎の地下通路がある。案内看板にも「浅草寺」の文字があるが、その先へ進むと何故か行き止まりになる。
そこには南京錠がかけられた開かずの扉がある。実は浅草寺へとつながる地下通路は現在閉鎖されている。
1927年(昭和2年)に日本初の地下鉄が浅草~上野間(2.2km)で運行を開始した。その浅草駅から浅草寺へと地下通路を延ばすことで、活気ある地下商店街を建造する計画が立てられた。そして、現在の地下商店街が造られたが、その地下通路が浅草寺へたどり着く前に計画が中止された。
現在、閉鎖されている扉の向こう側は、約300m掘り進められ途中で止まっている。当時の計画では、地下鉄から雨の日でもぬれない便利な地下道になる予定だった。
計画が中止された理由として、浅草寺を参拝するのに参道を通らないのは仏様に失礼だ、という反対意見があったためだという。正式な参拝ルートを尊重するために、この地下通路は計画が中止され、現在では謎の行き止まりとなっている。
リンク:CHINTAI情報局、Wikipedia
2020/2/5
カテゴリー「歴史・文化」