街路樹にイチョウが多い理由

日本の街路樹にはイチョウの木が多く利用されている。これにはイチョウが持つある性質が関係している。

明治神宮外苑のイチョウ並木
明治神宮外苑のイチョウ並木

東京の明治神宮外苑や大阪の御堂筋など、イチョウ並木がきれいな場所は日本の各地にある。また、2007年の国土交通省の調査によれば、街路樹として57万本のイチョウが植えられており、樹種別ではイチョウが最も多い。街路樹にイチョウが多いのは、イチョウが「火に強い木」だからである。

イチョウは他の木に比べて葉が厚く水分が多い。そのため、燃えにくく火に強いという性質がある。また、イチョウの葉だけでなく、幹も他の木より水分が多く、木全体が燃えにくく火事に強い。この性質から街路樹として多くのイチョウが植えられてきた。

江戸時代には防火用の空地である「火除け地(ひよけち)」にイチョウが多く植えられた。これにより火事が起きた際に火が燃え広がるのを防ぐことが出来た。

また、1923年(大正12年)9月に発生した関東大震災の際には、実際にイチョウが延焼を防いだという事例も多く見られ、これにより防災を兼ねて街路樹にイチョウが多く植えられるようになった。

東京都千代田区大手町には関東大震災を生きぬいたイチョウの木が現在も残っている。樹齢は約150年とされ、震災の際の炎と高温により木の表面の一部が変質したが、焼失は免れた。このイチョウは当時「帝都復興のシンボル」として注目を集め、「震災イチョウ」の名称が付けられている。

震災イチョウ
震災イチョウ

このように街路樹にイチョウが多いのは、イチョウが火に強いという性質を持つためである。また、イチョウは秋には黄金色に黄葉し、人々はイチョウ並木を秋の風物詩として楽しむことも出来る。

リンクWikipediaコトバンク

2020/2/20

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カテゴリー「生活・科学

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