指が「ポキポキ」と鳴る理由

戦う前などに指を「ポキポキ」と鳴らすイメージがあるが、この指の「ポキポキ」とは何の音なのか。

指をポキポキ鳴らす人

実は指の「ポキポキ」は「泡がはじける音」である。

指の関節は曲げたり伸ばしたりしやすくするために、関節の中に「滑液(かつえき)」という液体が含まれる。滑液は骨の摩擦を軽減したり関節の動きを滑らかにしたりする役割がある。

関節を曲げると滑液の中の圧力が変化して、中に溶けていた気体が泡になることがある。その泡がはじけることで「ポキッ」という音が鳴る。MRI画像でもその泡の存在を確認することができる。

指の「ポキポキ」という音は長年の謎だった。100年以上前から泡がはじける音ではないかと考えられていたが、科学的に証明されていなかった。そして、2018年にその謎が解明され、世界的に有名な科学専門誌「Scientific Reports」にポキポキの原因を科学的に証明した論文が掲載された。解明したのはフランスの研究者である。

指がポキポキと鳴る原因を解明しても、特に治療などの役に立つわけではないことから医学界では放置されていた。指がポキポキ鳴る仕組みは、今すぐには役に立たないかもしれないが、今後、何かの役に立つかもしれない。

ちなみに、指をポキポキ鳴らすと指が太くなると言われるが、実験で太くならないことが証明されている。アメリカの研究者が60年間、左手の指を鳴らし、右手の指は一切鳴らさないという実験を行い、左右の指の太さは変わらなかったという結果が出ている。この研究は2009年にユニークな研究に贈られるイグノーベル賞を受賞した。

リンクWikipedia

2020/2/8

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「生活・科学

関連記事