眼科の検診の際に「真っ直ぐな道路の先に赤色の気球が浮かんだ絵」を見せられる。なぜ気球の写真なのか。
これは近視・遠視・乱視の度合いを測るための検査である。空気が出る場合には眼の圧力(眼圧)を測っている。この検査機器を開発したのは、愛知県蒲郡市に本社を置く株式会社ニデックである。そして、この気球の絵を採用したのは同社の社員で、この機器の開発者である。
実はあの気球は合成したものである。もともと検査に使用するのは道路だけの写真だった。しかし、道路だけでは画が弱く、気球を合成したという経緯がある。
道路だけの絵だと検査する人の視線が動いてしまう。近視・遠視などの検査では遠くを見ている時の眼球を調べる必要がある。道路だけでも遠くを見る眼にすることは出来たが、視線が一か所に定まらず、うまく測定することが出来なかった。
そこで眼球の動きを止めるために中央に気球の写真を合成した。これにより眼科でいつでも正確な測定が出来るようになった。
ちなみに、この気球の絵には道の途中に車が走っているものもある。また、ほとんど使用されることはないが、気球の絵以外にも花など別の絵もある。
リンク:ニデック、Menicon Miru
2020/2/7
カテゴリー「生活・科学」