「世界で一番危険な鳥」として2004年にギネスブックにも掲載された鳥が「ヒクイドリ」であり、人を殺せると言われるほどである。
ヒクイドリは全長が約130~170cmの大型の鳥で、インドネシア・パプアニューギニア・オーストラリア北東部の熱帯雨林に分布する。かつてはもっと広範囲に生息していたと推測されるが、熱帯雨林の減少や他の動物が入って来た影響により個体数が減少しており、絶滅が危惧されている。
和名は「火食鳥」の意味であるとされる。実際に火を食べるわけではなく、顎(あご)に垂れ下がる肉が赤色であり、火を食べているかのように見えたことから名付けられたという説がある。
そんなヒクイドリは、人を殺せると言われる「引き裂きキック」を持っている。そのキック力は約120kgとされ、人が蹴られると皮膚が裂けて内蔵が出るほどのダメージを受けるという。そのヒクイドリの脚には約12cmもある大きく鋭い爪がある。この丈夫で刃物のような爪がヒクイドリの武器である。
本来は用心深く臆病な鳥であり、刺激しない限りは襲ってくることはほぼないとされる。しかし、一方で皮膚を引き裂くほどの強烈なキックで、人に危害を与える恐れのある鳥でもある。
日本では埼玉県の東武動物公園や福岡県の福岡市動物園、久留米市鳥類センター、熊本県の熊本市動植物園、広島県の福山市立動物園、愛媛県立とべ動物園などで見ることができる。
2020/4/23
カテゴリー「生き物」