「片栗粉(かたくりこ)」は、竜田揚げ・から揚げなどの揚げ物の衣や、水溶き片栗粉にして中華料理でとろみをつける時などに使用される。
そんな「片栗粉」は何から出来ているのか。片栗粉の「片栗(カタクリ)」とは、ユリ科カタクリ属の植物の名前である。そのカタクリの地下茎(ちかけい:地中に埋もれた茎)から作られたデンプンの粉が「片栗粉」である。
植物のカタクリは大きさが10~15cm程で、きれいな薄紫色の花を咲かせる。昔は日本各地の野山に咲いていたが、環境の変化などによりその数は大幅に減り、絶滅が危惧されている。
自生のカタクリが減少したことや、明治時代以降に北海道開拓が進み、ジャガイモ(馬鈴薯:ばれいしょ)が大量に栽培されるようになったことから、「片栗粉」の原料はカタクリからジャガイモに切りかわっていった。そのため、現在では大量生産され市場に流通している多くの片栗粉は、原材料が「馬鈴薯デンプン」となっている。
では、植物のカタクリはなぜ「片栗」という名前になったのか。「栗(クリ)」という名前が入っているが、実はカタクリの地下茎が栗の片割れの形に似ていることから、「片栗」という名前が付けられたと言われている。
2020/5/5
カテゴリー「食べ物」