スイカに黒い縞模様がある理由

スイカは、ウリ科のつる性一年草で、現在では果実を食用にするために広く栽培されている。漢字では「西瓜」、英語では「watermelon」である。

スイカ

日本では夏の風物詩でもあるスイカだが、その果実の外観は、緑色の玉に黒色または深緑色の縦縞の模様が入ったものが一般的である。ただし、原種である昔のスイカにはこの黒い縞模様はなかった。

スイカは熱帯アフリカが原産とされ、その当時のスイカは現在の栽培種とは違い、主に砂漠地帯に生えていた。見た目が地味な当時のスイカは砂漠で細々と自生していたが、ある時、突然変異で黒い縞模様のあるスイカが誕生した。

縞模様のあるスイカは周りにある緑色の葉っぱの中にあってもよく目立ち、動物に食べられるようになった。縞模様でよく目立つスイカは鳥にも食べられ、スイカの種を食べた鳥が遠くの場所で種が混じった糞(ふん)をすることで、その分布域が広がることとなった。

このようにスイカの黒い縞模様は突然変異で生まれたものである。そして、現在のスイカに縞模様があるのは、その突然変異したスイカの種を鳥が食べ、遠くへ運んで広まった結果である。

ちなみに、エジプトでは4000年前の壁画にスイカが描かれており、その当時から栽培されていたが、昔は種のほうを食べていたと考えられている。また、日本で黒い縞模様の品種が広まったのは昭和初期頃とされ、それまでのスイカは黒色の無地で「鉄かぶと」と呼ばれていた。

リンクWikipediaコトバンク

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2020/5/21

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カテゴリー「食べ物

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