日本で人気の米料理として「チャーハン(炒飯)」と「ピラフ」がある。これらは似た料理に思えるが、違いを挙げるとすればそれは作り方である。
チャーハンは、炊き上がった米飯を卵、ハムやベーコン等の肉類、ネギ、タマネギ、ピーマンなど様々な具材と共に食用油で炒めた料理である。一方、ピラフは、バターで炒めた生米をタマネギ、鶏肉等の肉類、エビや貝等の魚介類、キノコなど様々な具材と共に出汁や香辛料を加えたスープで炊いた料理である。つまり、チャーハンは炊いた米を炒め、ピラフは炒めた米を炊くという違いになる。
チャーハンは中華料理の一つに分類され、日本語では「焼き飯」とも呼ばれる。一方、ピラフは主にトルコ料理として有名で、本来は上記のようにチャーハンとは異なる調理法であるが、日本ではチャーハンと同じように作られることが多い。また、日本ではピラフに使われるインディカ米が一般的でないことから、国産米が使われることが多い。
日本で多いピラフの調理法は、フライパンに油やバターを引いて具材を炒め、炊いた米飯を加えて炒め合わせ、塩コショウやカレー粉などのスパイスを加えてピラフ風の味付けをする方法である。このピラフ風の焼き飯を日本では「ピラフ」とすることが多い。この場合、作り方はチャーハンと同じになるため、その違いはバターなどの洋風の味付けとなる。
ちなみに、スペイン料理として知られる「パエリア」は、タマネギやパプリカ、インゲンマメ、トマト等の野菜、白身魚やエビ、イカ等の魚介類、ウサギ肉または鶏肉など様々な具材をオリーブ油で炒め、ジャバニカ米と水、黄色い香辛料のサフランを加えて炊き上げて作られる。専用の円形で底が浅く平らなパエリア鍋を使って調理するのも特徴である。
米料理のチャーハンとピラフの起源は古代インドの料理「プラーカ」であるという説がある。また、その後フランスに伝わったピラフは、スペインに伝わりパエリアとなり、イタリアに伝わりリゾットという料理に変化したという説もある。
2020/3/31
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