「魚肉ソーセージ」が普及した理由

「魚肉ソーセージ」は、スケトウダラやマグロなどの魚肉を主原料としたソーセージであり、「フィッシュソーセージ」とも呼ばれる。

魚肉ソーセージ

魚肉ソーセージは、子どもから大人まで幅広い層に人気があり、食卓の定番とも言える食品である。また、高タンパク・低カロリー・低脂肪であり、健康・ヘルシー志向の食品としても注目されている。

そんな今では当たり前の食品である魚肉ソーセージは、1950年代に起きたある出来事がきっかけとなり、爆発的に普及した。その出来事とは、1954年(昭和29年)3月1日に南太平洋ビキニ環礁においてアメリカ軍が行った水爆実験である。

この水爆実験で日本の「第五福竜丸」をはじめとする数多くのマグロ漁船が放射性降下物(いわゆる「死の灰」)を浴び、被曝した。また、広い範囲の海が放射性物質で汚染された。

その結果、多量の放射能汚染マグロが水揚げされたこともあり、消費者は汚染されていないマグロまで避ける事態となり、マグロの価格は大暴落した。苦境に陥った水産業各社は、余った安いマグロを原料とした魚肉ソーセージの生産に力を入れるようになった。

安価な魚肉ソーセージは、学校給食に納入されるなどして美味しいと評判になり、売り上げは急上昇した。このように水爆実験の影響により、魚肉ソーセージは大衆食になったと言われている。

なお、上記のマグロ漁船「第五福竜丸」はアメリカが設定した危険水域の外で操業していたが、被曝し、死者が出る結果となった。また、水爆実験が行われた3月1日は「ビキニ・デー」という記念日になっている。

リンクWikipediaコトバンク

2020/6/13

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カテゴリー「食べ物

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