ヘリはエンジンが止まっても墜落しない

ヘリコプターはエンジンが停止してしまっても直ちに墜落するわけではない。ヘリコプターにはそういう特別な機能が備わっている。

これは「オートローテーション(autorotation:自動回転機能)」と呼ばれ、ヘリコプターなどの回転翼機では、エンジンが停止しても安全に着陸させるために不可欠な機能である。

ローターを通る空気の流れ
ヘリコプターのローターを通る空気の流れ

通常の状態では、ヘリコプターはエンジンの出力によりメインローター(回転翼)を駆動させ、空気を下に押し下げることで、浮き上がる力「揚力(ようりょく)」を得ている。そして、万が一エンジンが停止してしまっても、そのメインローター自体に大きな運動エネルギーが保存されているため、ローターは回り続け、即座に墜落するわけではない。

エンジンが止まることで前に進む力はなくなるため、ヘリコプターは下の方向に墜ちていく。すると、空気がメインローターの下から上に通過する。これによりローターは回転を維持することができ、ヘリコプターは墜落せずに、ゆっくりと降下する。着陸する時には機首を上げることでバランスを取って降りる。

このようにオートローテーションの機能により、ヘリコプターはエンジンが止まってしまいローターが動力を失っても、空気の力でローターを回転させて揚力を得ることで、墜落せずに着陸できる。

ヘリコプターがオートローテーションを行うのは、エンジンが停止した場合、または機体尾部にあるテールローターが故障した場合である。また、オートローテーションは、ヘリコプターのパイロットが操縦訓練において教育を受ける、緊急時の基本的な操縦技術の一つである。

リンクWikipediaコトバンク

2020/5/6

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カテゴリー「乗り物

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