山梨県を代表する銘菓「桔梗信玄餅(ききょうしんげんもち)」は、その美味しさと共に、包装が風呂敷状になっているのが特徴である。
桔梗信玄餅は、山梨県笛吹市の製菓メーカー・桔梗屋(ききょうや)が製造・販売する土産菓子である。1968年(昭和43年)に発売され、きな粉のかかった柔らかいお餅に黒蜜をかけて食べるという少し変わったお菓子である。
そして、風呂敷状になった包装は、いかにも日本のお菓子を思わせ、食べる時にこぼれてしまうきな粉を受けとめてくれる敷物としても便利である。その風呂敷状の包装を採用した理由は、商品をパックする機械を購入するお金がなかったためである。
桔梗信玄餅を開発していた当時、苦労の末に商品を完成させたが、それをパックする機械に投資する予算がなかった。そこで仕方なく、手作業で風呂敷のように商品を包んで発売したところ、その包装も話題となり大ヒットした。
機械化の進んだ現在でも手作業にこだわっており、1個ずつスタッフが手作業で包んでいる。1個を包むのにかかる時間はわずか6秒の職人技である。現在では1日12万個もの桔梗信玄餅を手作業で包んでいる。
ちなみに、桔梗信玄餅は名前に「信玄」と銘打っているが、このお菓子自体は戦国武将の武田信玄とは特に関係がない。武田信玄がお餅を好んで食べたなどの歴史的な事実もなく、山梨県を代表するお土産になって欲しいという願いを込めて、山梨を代表する武将・武田信玄の名前を借りて、その名前が付けられた。
2020/6/22
カテゴリー「食べ物」