「おろそか」は漢字では「疎か」と書き、「いいかげんに扱うさま、思いやりが薄いさま、なおざり、粗末なさま」などの意味がある。
「おろそか」の「おろ」は「おろか」や「おろおろ」などと同じく「不完全、不十分」の意味で、「そか」は状態を表す接尾語である。「おろそか」には「なおざり」とあるように、「しなければならないことを放っておく」という意味が含まれる。
また、漢字の「疎か」は「おそろか」のほかに「おろか」とも読む。「おろか」は漢字では「疎か」または「愚か」と書き、「考えが足りないさま、ばかげているさま、劣っている」などの意味がある。
「おろそか」は元々は「飾りたてず簡素なさま、粗末なさま」の意味であり、その後に「いいかげん、なおざり」という意味が生じ、「おろか」と重なりを持ったとされる。現在では「おろそか」は「疎か」、「おろか」は「愚か」と書き、分けて使われることが多い。
ちなみに、「おろおろ」は「不十分なさま」の意味のほかに「驚きや悲しみなどの衝撃でうろたえるさま、声を震わせ涙を流して泣くさま、ところどころ」などの意味がある。「ただおろおろするばかり」や「涙をおろおろと流しながら」のような使われ方がされる。
「おろおろ」が付く言葉には、取り乱して今にも泣き出しそうな声の「おろおろ声」や、そのような状態の涙の「おろおろ涙」、驚き慌てている目つきの「おろおろ目」、どうしてよいか分からず取り乱している顔つきの「おろおろ顔」などがある。
リンク:コトバンク
2020/7/17
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