ミモレットチーズを日本に広めた出来事

近年、スーパーなどでも見かけるようになった「ミモレットチーズ」は、フランスまたはオランダが原産とされるハードタイプのチーズである。

ミモレットチーズ

「ミモレット(Mimolette)」と呼ばれるこのチーズは、熟成が進むと表面にクレーターのような穴が開き、粉を吹く。そして、中身は鮮やかなオレンジ色をしているのが特徴である。このオレンジ色はアナトーという植物色素によるものである。

味は熟成すると風味が増し、その濃厚な風味はカラスミに例えられることも多い。そんなミモレットチーズを日本に広めた人物は、森喜朗(もり よしろう)元首相だという説がある。

2005年(平成17年)8月、郵政民営化を掲げて国会が開かれていたが、自民党内部からも反対する人が出ていた。当時の首相である小泉純一郎(こいずみ じゅんいちろう)は、「郵政民営化の法案が通らなければ衆議院を解散する」と発言した。

その衆議院解散を回避するため、森前首相は小泉首相のいる総理官邸を訪れた。その会談の後で行われた会見において森元首相は、「前首相であり先輩の自分が行っても小泉首相は考えを変えない。私に対して缶ビールとこんな干からびたチーズしか出さなかった」という内容の発言をした。

後にその「干からびたチーズ」が実は高級品の「ミモレットチーズ」だったということが分かり、当時あまり知られていなかったミモレットチーズに注目が集まった。この出来事をきっかけとして、一部の食品店では品切れになるほどの人気を呼び、ミモレットチーズは日本中で広く知られるようになった。

リンクWikipediaコトバンク

2021/1/26

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カテゴリー「食べ物

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