「うなぎパイ」は、静岡県浜松市中区に本社を置く春華堂(しゅんかどう)が製造・販売するお菓子であり、浜松の名産品として全国で広く知られる。
「うなぎパイ」は、1961年(昭和36年)に発売された同社の主力商品であり、「夜のお菓子」というキャッチコピーと共に国内での知名度は高い。「うなぎパイ」の他に、「うなぎパイ ナッツ入り」や「うなぎパイ V.S.O.P.」「うなぎパイ ミニ」などの商品もある。
浜松市は「美味しい餃子の町」としても知られ、餃子の消費額は栃木県宇都宮市と共に全国トップである。その「浜松餃子」に入っているあるものを使うことで「うなぎパイ」が誕生した。そのあるものとは餃子の臭みを消す役割もある「ニンニク」である。
浜松はウナギが名物であり、そのウナギを使ったお菓子を作りたいと考えたが、ウナギはどうしても少し生臭さがある。その臭みを消してくれるものとして、餃子で使われているニンニクに目を付けた。
餃子で使用される風味の良いニンニクを調味料として「うなぎパイ」のタレに入れたところ、ウナギの臭みを消して、さらに独特の風味が加わり美味しくなった。このようにして美味しい「うなぎパイ」は完成した。このニンニクが入った独自のタレは社内でも秘伝として、今もなお一部の職人のみに伝えられている。
ちなみに、「夜のお菓子」というキャッチコピーは、高度経済成長期の当時、女性の社会進出が進んだことで家族が顔を合わせる時間も少なくなり、忙しい家族が集う夜のだんらんの時間に「うなぎパイ」を食べてもらいたいとの想いから付けられたものである。
また、日本では餃子にニンニクを入れることが多いが、中国の餃子にはニンニクが入っていない。これは中国から日本に餃子が伝わった当時、材料に臭みのある羊肉を使用しており、その臭みを取るためにニンニクを用いたという説がある。
2021/1/9
カテゴリー「食べ物」