ハゲタカがハゲている理由

アフリカやアメリカなどにいる「ハゲタカ(禿鷹)」は、体は毛で覆われてフサフサしているが、なぜか頭だけ毛がなくツルツルしている。

ハゲタカ(ハゲワシ)
ハゲタカ(ハゲワシ)

ハゲタカと記述したが、実は生物学上ハゲタカという鳥は存在せず、ハゲタカは鳥類のハゲワシ類またはコンドル類の俗称である。これらハゲタカと呼ばれる鳥の特徴として、その毛のない頭や、死んだ動物の肉を食べる食性が挙げられる。

動物の死体を主に食べる食性は、腐った肉を食べるという意味で腐肉食(ふにくしょく)、または死体の肉を食べるという意味で屍肉食(しにくしょく)と呼ばれる。ハゲタカが死んだ動物を食べるのは、体長が1m以上、羽を広げると3m以上もあり、素早い動きが苦手で、動いている動物を仕留めることができないためである。

ハゲタカの頭に毛がなくハゲているのは、「死んだ動物の内蔵まで頭を突っ込んで食べるため」と考えられている。

ライオンやトラなどの猛獣が仕留めた獲物のおこぼれを食べるハゲタカは、その獲物の内臓まで頭を突っ込んで食べ尽くす。この時に頭がフサフサで毛があると、腐った肉や血が頭の毛に付いてなかなか取れず、有害な細菌などの微生物が繁殖してしまう。一方、頭に毛がないと、付いた血はすぐに乾き、太陽の直射日光を受けて有害な微生物を退治できる。

ちなみに、「ハゲタカ」という言葉は、死体に群がって腐った肉を食べる鳥であることから、私利私欲のために弱者を食い物にする悪者の例えとしても使用される。また、鳥のハゲタカは獲物を横取りする悪いイメージがあるが、死んだ動物をきれいに食べ尽くす「掃除屋」として活躍しており、自然界の中で重要な役割を担っている。

リンクWikipediaコトバンク

2021/4/11

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カテゴリー「生き物

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