イッカクは角の長さで競う

イッカクは、クジラ目イッカク科に分類される哺乳類。北極海域に分布する小形の歯クジラで、雄(オス)が持つ長い1本の角が特徴である。

イッカク

イッカクの体長は約4~5mで、身体の大部分は青白い地に茶色の斑点模様がある。そのシンボルの角は実は長い牙で、歯が変形したものである。雄では上顎(じょうがく・うわあご)の左側の1本の歯が長く伸びて牙となる。通常牙は1本であるが、500頭に1頭程度の割合で2本有する個体も存在する。

牙の役割についてはいくつかあると考えられており、その一つが牙を使った狩りである。イッカクは獲物の魚を牙で叩いて、または牙を振り回して、気絶させて捕食するという説がある。

そして、もう一つの役割が雌(メス)へのアピールのためという説がある。長い牙を使って傷つけ合う戦いではなく、主に牙の長さを競うというもので、牙が太くて長いほど雌には魅力的に見えるという。この争いに勝った雄は雌を多数従えたハーレムと呼ばれる繁殖集団を形成する。

ちなみに、中近世ヨーロッパでは、伝説の生き物であるユニコーンの角には解毒作用があると考えられており、ユニコーンの角と偽ってイッカクの角が売買された。

また、イッカクの角はウニコールとも呼ばれ、江戸時代の日本でもオランダ商人を通じて、その一部が輸入され、非常に珍重されていた。

リンクWikipediaコトバンク

2021/5/4

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カテゴリー「生き物

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