ミツバチが花の蜜を蜂蜜に変える方法

蜜蜂(ミツバチ)が集めた花の蜜(みつ)が蜂蜜(はちみつ)と思われがちだが、巣の中で加工・貯蔵されたものが蜂蜜である。

ミツバチ

ミツバチがどのようにして花の蜜を蜂蜜に変えるのか、その過程を確認してみる。まず、ミツバチは花の蜜を採集し、その花の蜜を胃の前部にある蜜胃(みつい)と呼ばれる器官に入れて貯える。この時、採集された花の蜜はショ糖液、つまり水分を含んだスクロース(ショ糖)である。

スクロースとは、砂糖の主成分で、二糖類の一種。単糖であるグルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)がグリコシド結合した糖である。主要な甘味料であり、これらの糖は水に溶けやすい性質を持つ。

ミツバチは蜜胃が花の蜜で満たされると巣に持ち帰る。その花の蜜を巣に戻す時に、ミツバチの唾液と混ざることで、蜜が更に甘い糖に変化する。この時、唾液にはサッカラーゼまたはインベルターゼと呼ばれる消化酵素が含まれており、その作用によって蜜の中のスクロースがグルコースとフルクトースに分解される。

このスクロースから生じるグルコースとフルクトースの混合物は転化糖(てんかとう)と呼ばれ、同量のスクロースよりも甘いのが特徴である。

また、ミツバチが取って来たばかりの蜜は水分が多く、水っぽい。糖が含まれる量の指標となる糖度は40%未満である。その後、蜜を巣の中に入れ、ミツバチが羽で扇いで水分を蒸発させることで糖の濃度が高くなる。これにより糖度は80%前後まで上昇し、熟成されたトロトロの「蜂蜜」になる。

蜂蜜

ちなみに、花の蜜を集めるのは働きバチの仕事であり、その働きバチは全てメスである。メスの働きバチはその他に、子育てや巣の警備といった仕事も分担して行っている。ミツバチのオスは巣の中で働きバチから餌を貰うだけで、女王バチと交尾をすることが唯一の仕事である。

また、関連する記念日として、5月20日は「世界ミツバチの日」、3月8日は「みつばちの日」、8月3日は「はちみつの日」となっている。

リンクWikipediaコトバンク堀野養蜂場

2020/7/6

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カテゴリー「生き物

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