カメの甲羅は肋骨が進化したもの

カメが背中に背負う甲羅は何で出来ているかが長い間分からず、その発生過程は謎で、皮膚説や肋骨(ろっこつ)説などがあった。

アカミミガメ

2013年(平成25年)に理化学研究所は、カメの胚の発生プロセスの組織学的な解析と三畳紀の化石の調査により、カメの甲羅(骨甲板)は肋骨だけが拡張・変形して進化してきたことを立証したと発表した。

爬虫類のカメの肋骨は、哺乳類の人間の肋骨と同じものと言える。多くの脊椎動物の場合、肋骨は背骨から腹側へ平行に伸びている。哺乳類のアルマジロも硬い甲羅のような組織を持つが、これは骨ではなく皮膚が硬化したものである。

一方、カメの場合、その骨格標本を見ると、背中の甲羅に沿って背骨が伸び、背骨から横に広がる板状の肋骨が甲羅を形成している。つまり、カメの甲羅は皮膚ではなく、骨で出来ている。

現在の地球上の生き物では、カメだけが肋骨を横に広げて甲羅のような構造を作っている。カメの祖先は海から誕生した生き物で、最古のカメは約2億2000万年前に生息していたオドントケリスとされる。

そのカメの化石を見ると、腹側の甲羅は発達しているが、背側の甲羅は不完全である。そのため、カメは腹側から甲羅が進化し、後に背側の甲羅が発達したと言える。また、カメの甲羅は自身の身を守るために使用されるが、元々は水中で抵抗を減らして動きやすくするためのものだったという考えもある。

リンクWikipediaコトバンク

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2021/7/31

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カテゴリー「生き物

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