「一昨日」とは、「昨日の前の日」、つまり「今日より二日前の日」を意味する。英語では「day before yesterday」となる。
この漢字「一昨日」の読み方として音読みの「いっさくじつ」の他に、訓読みの「おととい」または「おとつい」がある。「おととい」と読む人と「おとつい」と読む人の両方がいて、主に関東地方や東北地方などでは「おととい」、近畿地方や中国地方などでは「おとつい」と読む人が多いという調査結果がある。
「おととい」と「おとつい」は使っていた時代が異なり、平安時代以前は「おとつい」で、平安時代以降は「おととい」が用いられるようになった。つまり、もともと「おとつい」という言葉があり、音が変わって「おととい」になったという説である。
「おとつい」の語源は「遠つ日(おとつひ)」とされる。「おと」は「遠い」や「彼方」、「つ」は助詞で「の」、「ひ」はそのまま「日」であり、「おとつひ」は「彼方の日」となり、「時間的に遠い日」を意味する。
そして、上記のように時代とともに「おとつい」が「おととい」へと変化していき、現代では方言として「おととい」と「おとつい」の両方の読み方が残るかたちになっている。
2021/8/4
カテゴリー「語源・由来」