老舗和傘店を救ったデザイン照明

京都府京都市上京区に本店を構える老舗和傘店の日吉屋(HIYOSHIYA)は、伝統工芸品である京和傘などの和傘を江戸時代から作り続けてきた。

しかし、旅館や料亭での展示用として和傘を購入する人はいたものの、売上は大幅に落ち込み、廃業の危機に瀕していた。そんな中で、倒産の危機を救ったアイデア商品がある。

古都里

それは和傘の材料を使ったデザイン照明「古都里(KOTORI)」であり、和傘の構造や技術を活かしたものである。その照明器具は日本国内のみならず海外の国々からも注文が殺到し、店の売上は50倍にも上った。

古都里

和傘の製造には防水のため和紙に油を引き、その油を乾燥させるため天気の良い日に天日干しをする。この時、太陽の光が当たるが、当主が和紙を通して映る光の美しさに気が付き、和傘の材料を使ったデザイン性の高い照明器具を思い付いた。

このデザイン照明は伝統美を活かしたシンプルで、かつ新しい照明器具である。国内の和紙産地から厳選した和紙を使用して、京和傘の職人が一つずつ丁寧に手作りしている。また、傘の部分は灯具から取り外すことができ、季節やインテリアなどに合わせて交換が可能である。

古都里

そんなデザイン照明は世界中から注文が殺到した。通常の照明器具だとサイズが大きく輸送コストがかかるが、このデザイン照明は和傘のように折りたたむことができ、コンパクトになる。海外への輸送費用が抑えられる点も人気がある理由の一つである。

リンク日吉屋

2021/8/30

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カテゴリー「歴史・文化

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