新幹線の青と白の色はタバコに由来

東海道新幹線は白色の車体に青色のラインが特徴的である。このカラーリングは初代の新幹線0系電車から現在の新幹線N700系電車まで変わらずに引き継がれている。

新幹線0系電車
新幹線0系電車
新幹線N700系電車
新幹線N700系電車

東海道新幹線の開業は1964年(昭和39年)10月1日のこと。同年10月10日に開会式が行われた東京オリンピックに間に合わせるように急ピッチで開発が進められ、開会式9日前というタイミングで新幹線は開業した。

当時、高速列車といえば赤色が主流だった。新幹線の開発時、国鉄の会議室では、新幹線が走る想像図を関係者に配布して、様々なデザイン案が出された。それまでの一般的な列車のブレーキは摩擦による細かい鉄くずが飛び散るため、車体に汚れが目立つ白色は使えなかった。

しかし、新幹線用に開発された新型ブレーキは鉄くずが出にくい構造になっており、世界的にも珍しい「白い車体」が可能だった。そこで、車体の色は白色を基調にすることで会議が進行した。

会議では基本色の白色と何色にするかでもめていて、赤色派と青色派で対立していた。当時、羽田空港に乗り入れていた海外の航空機は青いカラーリングが多かった。そんな時、会議室の机の上にはタバコの「ハイライト(hi-lite)」の箱が置かれていた。

ハイライト
ハイライト

ハイライトは1960年(昭和35年)6月20日に発売された人気銘柄のタバコで、売り上げ世界一を記録した大ヒット商品だった。当時としては珍しいセロハン包装で光沢のある青と白のデザインが特徴的だった。

会議に出席していた人たちはハイライトを並べて新幹線が走る姿を再現していた。そして、白色の車体をベースに太い青色のラインが引かれたデザインが採用され、超高速列車に相応しいスピード感のある色合い、青と白のツートンカラーに決定した。

この新幹線のブルーは「青20号(ブライトブルー)」という名前で登録されていて、歴代の東海道新幹線に受け継がれている。そして、青と白の組み合わせの配色は、2027年(令和9年)以降に開業予定のリニア中央新幹線にも受け継がれる予定である。

ちなみに、タバコのハイライトのデザインは、「週刊文春」の表紙を40年以上手掛けたイラストレーター・グラフィックデザイナーの和田誠(わだ まこと、1936~2019年)の作品。和田誠の妻は料理愛好家・シャンソン歌手の平野レミ(ひらの れみ、1947~)である。

東西線5000系電車
東西線5000系電車

また、1964年(昭和39年)12月23日に開業した営団地下鉄(現:東京メトロ)東西線のラインカラー(路線色)・スカイブルーも、当時の理事の指示によりハイライトの色から取られたと伝えられる。

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2024/9/27

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カテゴリー「乗り物

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