「親展」(しんてん)とは、公的文書など重要な文書を入れた封筒に書かれる言葉で、「宛名の人に開封してほしい」という意味である。
「親展」は「宛名の人以外が開封することを望まない」場合などに使用される。「親」という字は「親ら」と書いて「みずから」と読む。一般的に使用される「自ら」と同じ意味を持ち、「自分から」「自分で直接に」などの意味がある。
また、「展開」や「展示」という言葉でも使用される「展」という字は「ひろげる」や「ならべる」という意味がある。つまり、「親展」は「みずからひろげる」という意味である。「親展」と書いてあれば、親だから開けてよいという意味にはならない。
ちなみに、手紙のことを「信書」や「親書」と言う場合があるが、一般市民がやり取りする手紙は「信書」を使う。「信書」とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、または事実を通知する文書」を意味する。
一方、「親書」は「本人みずからが書き相手へ渡す文書」を意味する。また、「国家元首や政府首脳が相手国の元首や政府首脳に出す文書」を指す場合にも使用される。例えば、アメリカ大統領の使者として、黒船で日本にやって来たペリーが持ってきた手紙は「親書」となる。
2025/7/24
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