「微妙(びみょう)」は「きわどくてどちらとも言い切れないさま」や「一言では言い表せないほど細かく、複雑なさま」「少々」「やや」などの意味で使用される。
「気持ちが微妙に変化する」や「セーフかアウトか微妙な判定」「微妙に歪んで見える線」などの使われ方がされる。また、「この料理おいしい?」と聞かれて「微妙」と答えるとマイナス評価の意味合いになるが、このような使われ方は最近になってからである。
本来は江戸時代の『江戸繁昌記』に記されているように「互いに門戸を立て 各々微妙を争う」のような使われ方がされた。微妙の「妙」の字は「言い得て妙」(いいえてみょう:巧みな表現で的確に言い表している)で使われるように「巧みなこと」や「美しい」という意味がある。
そのため前文は「お互いに門と戸を立て それぞれ美しさを争う」という意味になる。「微妙」は仏教の言葉で「みみょう」とも読み、「趣深いこと」を意味していた。辞書には「趣深く、何ともいえない美しさや味わいがあること」の意味で掲載されている。
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2025/8/5
カテゴリー「語源・由来」