「上下(かみしも)をつける」とは、落語に由来する言葉で、複数の登場人物を演じ分ける際に、顔の向きや視線で区別することを指す。
「上下」の「上」は舞台の「上手」、「下」は舞台の「下手」を意味する。落語では客席から見て右側の上手に身分の高い人がいて、左側の下手に身分の低い人がいる。日本では昔から舞台を作る時には舞台の左側の下手に玄関があり、右側の上手に座敷の奥がある。落語もこれに倣っている。
例えば、上手を向いて「こんにちは~」、下手を向いて「誰だい、うるさいね」という会話の場合、この二言で人物の位置関係が分かる。「こんにちは~」と言ったのは身分の低い人で下手の玄関から、「誰だい、うるさいね」は身分の高い人で上手の座敷からとなる。
「顔を左右に振って人物を演じ分けること」を落語の世界では「上下をつける」や「上下を切る」「上下をふる」と言う。つまり、妻が下手を向いて話している時は、その家庭は妻の権威・権力が夫を上回っている「かかあ天下」ということが分かる。
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2025/8/22
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