日本全国に同じ地名がある理由

日本全国には場所は違うが同じ地名がある。六本木がある東京都の「港区」と弁天がある大阪府大阪市の「港区」は同じ港区である。

六本木ヒルズがある東京都港区

その他にも、沖縄タウンで有名な神奈川県横浜市の「鶴見区」と中古車センターで有名な大阪府大阪市の「鶴見区」、東京都の「府中市」と広島県の「府中市」など同じ地名は日本に数多く存在する。同じ地名があるとややこしくなるが、なぜ全国に同じ地名があるのだろうか。

それは昔はみんな地元のことしか知らなかったので、別の場所に同じ地名があっても混乱することはなかったからである。そして、現代ではいまさら「地名を変えてほしい」とは言えないからである。

大昔は生活の範囲が狭く、小さなコミュニティーで生きていた。そのため、その中のことが分かればよかった。別のコミュニティーに同じ地名があっても混乱することはなく、今のようにテレビやインターネットがあるわけでもなく問題にならなかった。近くに同じ地名があってもそれ自体を知ることがなかった。

地名の始まりについてははっきりと分かっていないが、4世紀ごろに日本最初の統一国家としてヤマト王権(大和王朝)が誕生した。ヤマト王権は日本の国を統一する中で、各地に同じ地名があることに気が付くが「同じ地名になるのはダメだ」とは言わず、その後も全国に同じ地名が増えていった。

赤い土の坂があるから「赤坂」、大きなくぼ地があるから「大久保」、富士山が見えるから「富士見」のように地理的な特徴や景色、建物など同じ条件の場所が各地に多くあり、同じ地名が付く場合があった。

その他にも、城下町には城の正面玄関を意味する大手から「大手町」と名付けられ、東京都千代田区や石川県金沢市、宮城県仙台市、北海道函館市、香川県丸亀市、大分県大分市など各地に大手町が存在する。

また、プロ野球球団の北海道日本ハムファイターズの本拠地球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」がある北海道の「北広島市」は、明治時代に広島県から開拓に来た人たちが「広島村」と名付けたことが由来である。北海道には全国から開拓に来た人たちがいることから、「愛知」や「岐阜」「鳥取」など他の県の地名もある。

ヤマト王権の時代から地名を強制することがなかった歴史から、同じ地名が存在する状況となっている。また、人々は地名にプライドを持つことから政権が地名を変えるように命令すると地方の支持を失うことにもなるので、いまさら「地名を変えてほしい」とは言えない状況である。

ちなみに、1970年(昭和45年)に自治省(現:総務省)から出された「自治省自治事務次官通知」には「既存の市の名称と同一となり、または類似することとならないよう十分配慮すること」と明記されており、現在では同じ市の名前が誕生することのないように配慮されている。

1954年(昭和29年)3月31日に誕生した広島県の「府中市」と1日違いの同年4月1日に誕生した東京都の「府中市」は、上記の自治省の通知が出る前の出来事であり、同じ名前なのは例外と言える。この二つの府中市は同じ名前の市として現在も交流を続けている。

リンクWikipedia

2025/11/29

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カテゴリー「地理・地名

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