「春分(しゅんぶん)」は、「二十四節気」の一つで第4番目にあたる。英語では「vernal equinox」である。
現在広まっている定気法では太陽が「春分点」を通過した瞬間、すなわち太陽黄経が0度のときで3月21日頃。天文学ではその瞬間であるが、暦ではその瞬間が属する日であり、これを「春分日(しゅんぶんび)」と呼ぶ。
「春分」の日付は、近年では3月20日または3月21日であり、年によって異なる。2025年(令和7年)は3月20日(木)である。
「春分」の一つ前の節気は「啓蟄」(3月6日頃)、一つ後の節気は「清明」(4月5日頃)。「春分」には期間としての意味もあり、この日から、次の節気の「清明」前日までである。西洋占星術では「春分」が白羊宮(はくようきゅう:おひつじ座)の始まりとなる。
太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日とされる。江戸時代の暦の解説書『こよみ便覧(べんらん)』には「日天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」と記されている。また、この日を境に昼の時間が長くなり、夜の時間が短くなる。ただし、実際には「春分」では平均すると昼の方が14分ほど長い。
「春分」の日付は以下の通り。
日本ではこの日は国民の祝日「春分の日」となる。「春分の日」は、国立天文台の算出する定気法による「春分日」を基にして閣議決定され、前年2月1日に翌年の暦をまとめた「暦要項」として官報で告示される。
「春分」を中日とする前後7日間は「春の彼岸(ひがん)」であり、農事始めをする時期にあたる。また、この日の前後に家族でご先祖様のお墓参りに行く習慣や、野遊びや山登りを行う地方も多い。