動脈硬化ならびに関連疾患の予防・治療に関する発展を図る一般社団法人・日本動脈硬化学会と、循環器病診療や研究のプラットフォームの役割を担う一般社団法人・日本循環器協会が共同で制定。
日付はLDLを小文字で表記した「ldl」を数字に見立てると「l(1)d(01)l(1)」となることから1011で10月11日を記念日としたもの。
俗に悪玉コレステロールと言われているLDLコレステロールは、心筋梗塞や狭心症の主な原因となっている。このことを広く知らせるとともにLDLコレステロールという言葉を啓発するのが目的。
記念日は2024年(令和6年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。同年10月11日の記念日の日にはTKP東京駅カンファレンスセンターにて「LDLコレステロールの日」登録証授与式が開催された。
LDLコレステロールは、体内の脂(あぶら)の一種であり、血管の壁に染み込むことで血管壁を厚くし、そして脆くする。これが原因で血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患を引き起こすため、悪玉コレステロールとも呼ばれる。
これらの心血管疾患は心不全や寝たきりの主な原因であり、国民の健康寿命を短くするだけでなく日本の医療費においても大きな割合を占めているため、重要な社会課題となっている。
上の画像はLDLコレステロールによる動脈硬化の模式図である。LDLコレステロールは血管壁に蓄積することで血管内膜を破綻させ、血栓性閉塞を引き起こす。LDLコレステロールの一般的な基準値は140mg/dL未満であり、これを超えると異常値で治療が必要と判断される。
健診でLDLコレステロールの異常値が見つかる人は少なくないが、症状がないために軽視されることが多く、適切な治療につながらないことが課題となっている。しかし、LDLコレステロールは薬物治療が非常に有効であることから、放置をせずにいかに受診行動につなげるのかが鍵とされている。
そこで、この記念日「LDLコレステロールの日」を制定することで、LDLコレステロールの重要性について広く国民に啓発する。これにより、受診率が向上し、適切なLDLコレステロールの管理が促進され、心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクを減少させることが期待される。結果として、国民の健康寿命の延伸に寄与し、さらに医療費の削減にもつながることを目指している。
関連する記念日として、日本で初めて人間ドックが行われた日の1954年(昭和29年)7月12日に由来して、7月12日は「人間ドックの日」となっている。人間ドックの受診を促すことで病気の早期発見につなげるのが目的。