大分県佐伯市で水産物の加工や直売事業などを手がけ、「アイゴ」の干物も販売する株式会社やまろ渡邉と、日本財団・海と日本プロジェクト「海のレシピプロジェクト」が制定。
日付は「ア(1)イ(1)ゴ(5)」と読む語呂合わせから11月5日を記念日としたもの。
「アイゴ」は海藻をよく食べる魚で、海藻が少なくなる「磯焼け」の一因とも言われる。また、ひれに毒があるため加工が難しく、市場に並ぶことはほとんどない。
しかし、歯ごたえのある白身は独特のうま味があり濃厚な味わい。「アイゴ」をおいしく食べることで「磯焼け」を減少させ豊かな未来につなげていくことが目的。
記念日は2023年(令和5年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
株式会社やまろ渡邉は1908年(明治41年)に創業し、1988年(昭和63年)6月に設立した会社。資本金は1200万円、従業員数は40名となっている。
「海のレシピプロジェクト」は海にまつわる「食」「ものがたり」を通して、海の情報をオリジナルコンテンツに編集し、伝えていくウェブマガジン。作品や物語に登場する海の料理や場面から着想し、料理家と一緒につくるレシピ、各地の海にまつわる人々の声や知識を海の現状として伝えていくことで、海を想う人が増え、循環していくことを目指す。
アイゴ(藍子)は、アイゴ科に分類される海水魚の一種。日本列島周辺を含む西太平洋の暖海域沿岸に生息する。成魚は全長30cmほどで、体は木の葉のように左右に平たい。
漁獲後に時間が経つと少し臭みが出てくるが、新鮮なうちに内臓を取り除くなどすれば、刺身などで味わえる白身魚である。鰭(ひれ:背鰭、胸鰭、尻鰭)の棘に毒をもち、刺されるとひどく痛む。
海藻が茂る藻場(もば)が著しく減少・消失する状況を「磯焼け」と言う。その原因は温暖化による海水の上昇と言われるが、アイゴなどの海藻を食べる魚の増加もその一因と言われている。
「磯焼け」がおこると海藻が採れなくなり、魚が卵を産み育てる場所がなくなってしまうため、全国的に大きな問題となっている。
ホッケやサバ、スズキ、タラなどに似た味わいがあるアイゴは、豊後水道の潮流の速さと豊富な餌で身が引き締まり、脂がほどよくのっているお魚。
加工処理には手間がかかるという理由で価値がつかず市場には並ばない「未利用魚」のアイゴを天然塩だけで最大限に旨味を引き出して、無添加の干物に仕上げた。カボスやレモンなど、柑橘との相性も抜群。
アイゴをおいしく食べて豊かな海の未来へつなげる「♯アイゴプロジェクト」では、やまろ渡邉と共に「豊後水道のアイゴ一夜干し」の商品化を進めた。「海のレシピプロジェクト」のウェブサイトではその商品を使用した「アイゴの干物のソテー エスニックサラダ仕立て」のレシピを紹介している。