愛知県名古屋市中区に事務局を置き、より多くの人々にお香の文化を伝え広めるために活動する愛知県薫物線香商組合が制定。
日付は「いい(11)おこ(5)う」(いいお香)と読む語呂合わせから。
長い歴史があるお香とそれにまつわる周辺文化の普及促進を図ることと、記念日をきっかけにお香文化に触れてもらうことが目的。記念日は2020年(令和2年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。
愛知県薫物線香商組合は、1956年(昭和31年)11月に「愛知県線香卸商組合」として設立された団体である。戦後11年を経て、社会秩序が安定するに従って一時途絶えていた国民の宗教心が復活し、線香業界が活発化したことで、より業界を盛り上げようという気運から結成された。その後、「愛知県薫物線香商組合」に名称が変更され、現在に至る。
「お香」とは、天然香木(こうぼく)やその香りを指すほか、線香(せんこう)・練香(ねりこう)・抹香(まっこう)・匂い袋(においぶくろ)などの総称として用いられる。使用方法の違いによって、焚いて使用する焼香(しょうこう)と、焚かずに体に塗る塗香(ずこう)に大きく分けられる。
お香の歴史は古く、5000年前の古代エジプトではミイラづくりの防腐剤として香料が使用されていた。また、王や神官が神にお香を捧げる様子がピラミッドの壁画にも残されている。日本では、奈良時代の歴史書『日本書紀』や平安時代の随筆『枕草子』、平安時代の長編物語『源氏物語』など数多くの文献にも登場する。
『日本書紀』には、日本のお香についての最初の記録として「推古天皇3年(595年)の夏4月、淡路島に沈水(じんすい:香木のこと)が漂着した」との記述がある。島民がその流木を薪にしようと燃やすと、良い香りが辺り一面に広がった。これに驚いて、その流木は朝廷に献上されたという。
この故事の4月と「香」の字は「一十八日」と読み分けられることから、4月18日は「お香の日」という記念日になっている。
リンク:愛知県薫物線香商組合、Wikipedia