日本の卵の消費量は世界でもトップクラスである。卵の1人当たりの年間消費量は平均331個で、ほぼ毎日1個食べている。
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スーパーに行けば色んな種類の卵があり、そのほとんどが「国産」の卵である。しかし、国内の食料消費が国産でどの程度まかなえるかを示す指数「食料自給率」を見てみると、お米は97%、みかんは100%になっている。そんな中、卵の自給率はわずか13%しかないとも言える。
スーパーは国産の卵だらけなのに13%とはおかしな話のようにも思える。食料自給率の欄を見てみると、卵は97%と13%の2つの数字が記載されている。これには少し複雑な事情がある。
食料自給率には実は2つの数値の出し方がある。よく使用されるのが「カロリーベース自給率」というもので、卵の場合、1日に摂取した卵のカロリーのうち何%が国産の卵か算出した数値である。卵は国内でとれたが「国産」と言えるかどうかの問題で、その卵を産んだ鶏の餌を考えるかどうかポイントになってくる。
確かに卵が生まれたのは国内だが、その鶏が外国産の餌で育っていると、もしその餌が輸入できなくなった時に卵を今までのように生産できるのかという問題がある。それを考えたカロリーベース自給率では卵は13%の自給率しかない。これは国産の餌を食べた鶏が産んだ卵のみが含まれた数値である。
一方、もう一つの自給率「生産額ベース自給率」では卵の金額が基準となり、国産と明記された卵が含まれて、その自給率は97%となる。
日本の自給率が低いという報道は、卵で言えば、カロリーベース自給率の13%に着目したものである。カロリーベースでは外国産の餌を食べた動物の卵・肉は外国産として算出され、日本の自給率が低いことを訴えたい時によく使用される数値なのである。
2018/7/26
カテゴリー「食べ物」