辞書を作るには歯磨き粉とホワイトチョコレートの材料が不可欠である。そして、これらの材料のおかげで辞書は紙が薄くても透けない。
画像元:岩波書店
辞書の紙を製造する工場を見てみると、紙の材料を混ぜる工程で食物繊維であるパルプに炭酸カルシウムや二酸化チタンを混ぜている。商品により異なるが、炭酸カルシウムは歯磨き粉の研磨剤に使われるもの。そして、二酸化チタンは着色料としてホワイトチョコレートなどに使われるものである。
この炭酸カルシウムと二酸化チタンを材料として使う事で、薄くても透けない辞書用紙となっている。これらの材料は粒子が細かく、紙の材料に混ぜる事で密度が高くなり、光を乱反射させる事で透けにくくなる。
現在の広辞苑が作れるのはこの技術のおかげである。広辞苑は片手で持ち運ぶ事を考慮しているため、厚さを8cm以内に収めるという決まりがある。初版から現在の第7版までに掲載される言葉やページ数は増えても厚さ8cmを守るため、紙を薄くし、進化してきたのである。
2018/8/8
カテゴリー「生活・科学」