誰もが知っている日本の昔ばなし「かちかち山」だが、1897年(明治30年)にイギリスでも出版されている。その挿絵が以下の画像である。
私たちが知っている挿絵とはだいぶ雰囲気が異なるが、この獣の姿をした生き物がタヌキである。本が出版された1890年代、タヌキが生息しているのは東アジアが中心で、欧米諸国には馴染みのない動物だった。そのため、想像で絵を描くしかなかった。
「かちかち山」のタヌキと言えば、お婆さんを殺して鍋にしてしまうという恐ろしい存在。タヌキを見た事がない当時の欧米人はその恐ろしいタヌキの行動から、悪魔のような風貌を想像し、このような姿に描いたと言われている。また、本の中では「The Slaying of the Tanuki」(人殺しタヌキ)と表現している。
リンク:Pook Press、Wikipedia
2018/9/22
カテゴリー「歴史・文化」