世界各国が力を入れる火星探査プロジェクトだが、1999年にNASAを震撼させた事件が起きた。それは小学生レベルの計算ミスによるものだった。
当時、最先端の技術と135億円もの予算をつぎ込んだ火星探査機「マーズ・クライメイト・オービター」は、火星到達を目前にして行方不明になった。その原因を追究したところ、世界中が呆れ果てた。その原因は超アナログな人的ミスだった。
探査機を製作したのはアメリカのロッキード社で、アメリカで一般的なヤード・ポンド法が使用された。一方、打ち上げを行ったNASAは国際基準に乗っ取ってメートル法を使用していた。そのため、当然ながら計算がズレるが、計算式の単位をメートル法とヤード法で取り違えている事に誰も気付かなかった。
探査機は火星にたどり着いて、いよいよ着陸という時に高度が全然違い、探査機を見失ってしまった。メートル法とヤード法による違いで、1mにつき約8.6cmのずれが生じ、火星到達時にはその差が約100kmになっていた。その結果、探査機は行方不明になった。分析の結果、火星に進入した軌道高度があまりに低く、火星大気の摩擦で燃え尽きてしまったとされている。
リンク:NATIONAL GEOGRAPHIC、Wikipedia
2018/9/28
カテゴリー「歴史・文化」