多くの書籍のページ数には共通点があり、表紙と裏表紙を除いたページ数は16の倍数になっている。これには製本上、とても理にかなった理屈がある。
それは多くのページを一度に製造しているためである。実際に本を作っている現場を見てみると、そこには巨大なロール紙がある。そのロール紙を伸ばしてページを印刷するが、1枚の紙に数ページ分が印刷されている。印刷された紙は、横に4ページ、縦に2ページで、両面なので合計16ページの印刷物ができる。
ほとんどの本は1ページずつ印刷するのではなく、16ページ分をまとめて印刷している。その16ページ分の印刷された紙を折り重ねていき、端の部分をカットする事で16ページ分の冊子になる。その冊子をまとめて綴じる事で1冊の本になるので、必然的に本は16の倍数になる。
そのページ数は、例えば192ページ(=16×12)、240ページ(=16×15)、320ページ(=16×20)などのように16の倍数になっている。しかし、216ページ(=16×13+8)のように16の倍数ではない本もある。それは同じ8ページを2つ作って半分にカットする作り方も可能で、16の倍数になっていない本のほとんどは8の倍数になっている。
さらに16の倍数でも8の倍数でもない本がある。その本は手作業で裁断する事になるためコストが割高になってしまう。そのため、通常はコスト削減のため、ページ数が16の倍数または8の倍数になるまで、雑誌では広告ページとして開放したり、小説では同じジャンルのおすすめ本を紹介したりして、ページ数を調整してから入稿する事が多い。
2018/10/19
カテゴリー「生活・科学」