近年、仕事中や食事の時に炭酸水を飲む人が増え、その生産量は2006年から2016年の10年間で約7倍にもなっている。そんな大人気の炭酸水の少し怖い話である。
これには虫歯、歯周病に次ぐ歯の第3の疾患と言われる「酸蝕歯(さんしょくし)」が関係している。これは飲食物の酸により歯が溶ける症状である。
歯は再石灰化と呼ばれるように、一旦溶けたカルシウムがもう一回歯に戻って歯をつくる。そこに弱酸性の炭酸水が絶え間なく入って来ると再石灰化を妨害してしまう。炭酸水の酸が歯のミネラル成分を溶かす原因になる。炭酸水をちびちび飲むと結果的に歯をもろくしてしまい、酸蝕歯を引き起こす事になる。炭酸水を飲む時は口内に酸が留まらないように、ぐびぐび飲む方が良い。
この症状はその他の炭酸飲料やワインでも同じように起こる。炭酸飲料やワインを普通に飲んでいる場合には、唾液に含まれているタンパク質が歯を守ってくれる。しかし、ちびちび飲んでいるとその効果が効きにくくなる。
酸蝕歯がある人の割合は多くなっており、約4人に1人が酸蝕歯になっているという結果がある。酸蝕歯の予防には、炭酸飲料などの酸性度の高い飲料を長時間口の中に溜めない事、酸性度の高い飲食物を口にしたら水でうがいをする事などがある。また、セルフケアとしては、歯質を強化するフッ素などの成分が含まれている歯磨き粉で、丁寧に歯磨きをするのが良い。
リンク:NHK健康チャンネル
2018/10/24
カテゴリー「食べ物」