日本人のソウルフードである「そば」。誕生は江戸時代よりも前で、その歴史は400年以上ともいわれ、今や市場規模は1兆円である。そんな「そば」に耳を塞ぎたくなるような事実である。
それが「立ち食いそば」の正体は「そば」というより「茶色いうどん」の可能性があるというもの。これにはちゃんとした理由がある。
広辞苑で「そば」を引いてみると、「蕎麦粉・小麦粉をこねて細く線状に切った食品」と載っている。ところが「蕎麦掻き」を引くと、「蕎麦粉を熱湯で練り、餅状としたもの」とあり、そこには小麦粉は入らない。つまり、私たちが食べている「そば」は、辞書にも載っているように、普通に小麦粉が入っている前提になっている。
ただし、これは消費者庁の「乾めん類品質表示基準」によると、「そば」を乾めんの状態で販売する際には、そば粉が30%未満のものはその割合の表示義務がある。しかし、「立ち食いそば」のような飲食店の場合はその表示義務はないので、そば粉が3割未満のものが「そば」として提供されている可能性は十分にある。
その場合、小麦粉が中心になるので「うどん」や「素麺」と変わらない。極端な話「中華そば」といえばそば粉はゼロである。これらの事から「立ち食いそば」は値段を抑えるため、そば粉よりも小麦粉が多く使われていおり、小麦粉が中心の「茶色いうどん」の可能性がある。
もし、そば粉10割で作ると値段が2~3倍になり、「もりそば」が1,000円を超える値段になってしまう。安くて美味しいという「立ち食いそば」のコスパの良さがなくなってしまう。また、「ゆで太郎」のように企業努力によりそば粉を5割以上入れる店もある。
2018/10/25
カテゴリー「食べ物」