男女による脳の作りの違いで、その性格や行動を分析する書籍が数多く存在する中、女性は地図を読めないとよく言われる。
男女の脳に違いがあり、女性は男性に比べて空間認識能力が劣っていて、そのせいで地図が読めないと思っている人も多いと思われるが、それは間違いである。女性が地図が読めないのは「女性脳」ではなく「社会」が大きく関係している。
イギリスの最新研究によれば、地図を読むゲームで50万人以上の大量の人のデータを取った所、男女差よりも国の差・文化の差の方が大きく出た。男女平等が進んでいる社会では男女の差はほとんどなく、一方でイスラムなどの女性の社会進出が制限されている社会では女性が地図を読めない事が多かった。
そこから類推すると日本という国はずっと男尊女卑の時代があった事もあり、女性の社会進出がまだ十分ではないという状況で、女性が地図が読めないという結果に繋がっている。つまり、女性が地図が読めないのは男女の脳の違いではなく、社会の男女格差の影響だと考えられる。
そもそも男女で脳の仕組みが違うという考え方には科学的根拠が乏しく、元々は男性9人・女性5人からしかデータを取っていない論文から広まった話である。最新の研究で、6,000人以上の脳を調べたイギリスの研究結果で男女の脳に違いはほとんどないと判明している。
2018/11/6
カテゴリー「生活・科学」