公衆トイレなど一般的なトイレは使用していない際、ドアが開くようになっているが、新幹線のトイレは常にドアが閉まっている。
そのため、臭いがこもりがちである。消臭剤も置いていないが、臭気計を使って計測してみると、新幹線のトイレは一般的なトイレとほぼ同じ数値である。常に閉まっていて消臭剤もないのに、なぜ新幹線のトイレは臭くならないのか。
トイレが臭くなる原因は、特有の強い刺激臭を持つ気体「アンモニア」である。アンモニアの分子式はNH3で分子の質量である分子量は17。空気の分子量は約29であるため、アンモニアは空気より軽い。そのため、アンモニアは空気中を漂うことになり、そのアンモニアを鼻の嗅覚で感じることで人は臭いと認識する。
つまり、鼻の辺りにアンモニアが無ければ人は臭いと感じない。そこで、アンモニアを下に吸い込むようなシステムを作ることにより、今の新幹線は臭いが軽減されている。
新幹線のトイレには下の方に通気口があり、そこに空気が吸い込まれるようになっている。入口のドアにはスリットがあり、その隙間から空気が内側に入って、鼻の辺りに漂っているアンモニアを巻き込んで、下の通気口へ吸い込んで外に出している。
臭いの原因であるアンモニアを、空気の流れで下の方に溜めることで鼻に臭いが届かないようにしている。このシステムにより新幹線のトイレは臭くない。
リンク:JRおでかけネット
2018/11/22
カテゴリー「乗り物」