西から東京に来た飛行機が千葉に向かう理由

西日本から東京に向かう時、飛行機はとても不思議なルートを通って飛んでいる。それは最短距離ではなく、わざわざ遠回りをしている。

福岡~羽田間の航路をフライトレーダーで見てみると、飛行機は東京への最短ルートを取らず、なぜか千葉上空を旋回して羽田空港に着陸する。他の飛行機も同じように千葉の上空を通る遠回りをしている。この遠回りのせいで福岡~羽田間の飛行時間は約15分余計にかかり、燃料も約1,000L余分にかかる。その分の燃料代はチケット代に上乗せされている。

飛行機が遠回りをして千葉を通って東京に着陸する理由は「横田空域」である。東京都福生市や武蔵村山市などを所在地とする「横田基地」は、日本が第二次世界大戦で敗戦した後、在日アメリカ軍の主要基地となり、空を飛ぶ権利は残念ながら日本は持っていない。

横田空域

横田空域はアメリカ空軍の管制下にあり、民間航空機であってもその空域を飛行する場合は、アメリカ空軍による航空管制官の指示を受けなければならない。また、その空域で万が一日本の民間機が事故に遭った場合、全く補償もされない。

横田空域は1都8県に及び、北は新潟県、南は静岡県の伊豆半島中部まで含まれる。その南側の横田空域を避けるために、羽田に向かう飛行機は最短ルートが取れず、千葉を通る迂回ルートを取らざるを得ない。そのため、西日本から東京に来た飛行機は千葉に向かう事になる。

リンク現代ビジネスWikipedia

2018/12/6

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カテゴリー「乗り物

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