寒い日には使い捨てカイロが便利だが、短い時間だけ使用したカイロを捨てるのは勿体ない気もする。そんな時にカイロをまた使うことができる技がある。
鉄を濡れたまま放置しておくとサビが出るのは日常よく目にすることだが、これは鉄の酸化、つまり鉄が空気中の酸素と反応して酸化鉄(水酸化第二鉄)になる化学反応である。この化学反応が起こる時に出る熱を有効利用したものが使い捨てカイロである。
使い捨てカイロの発熱のメカニズムは以下の通り。4Fe + 3O2 + 6H2O → 4Fe(OH)3 + 384kcal/mol。つまり、鉄(Fe)と酸素(O2)と水(H2O)が反応して水酸化第二鉄(Fe(OH)3)ができ、この過程で発熱する。
この反応を止めるには何かを断ち切ればよい。特に酸素(O2)を断ち切ってしまえば、それ以上反応は進まない。例えば、ジップロックなどにカイロを入れて密閉し、酸素の供給を断てば、化学反応は進行せず、発熱も止まる。そして、ジップロックを開けてカイロが酸素に触れると、再び発熱が起こる。
短い時間だけ使用した使い捨てカイロを再使用する時には、ジップロックなどのファスナー付きプラスチックバッグが便利である。
リンク:桐灰化学
2018/11/30
カテゴリー「生活・科学」