花粉症になりやすいのは長男と長女

日本人の4人に1人がかかっているという花粉症だが、花粉症は同じ環境で育った兄弟でも大きな違いがある。花粉症になりやすいのは長男と長女だという。

花粉症の人

ロート製薬株式会社の調査によると、花粉症の発症率は最初に生まれた第一子が39.7%、第二子が29.2%と10%も高い。長男と長女が他の兄弟よりも花粉症にかかりやすいという結果になった。

アレルギー疾患において「衛生仮説」という学説がある。人間の免疫を司る「リンパ球」は2種類あり、1個は細菌やウイルスに対するもの、もう1個は寄生虫や花粉に対するもので、後者が過剰になるとアレルギー反応になる。

生まれた直後はこの2つのバランスが崩れていて、後者のアレルギーを引き起こす方が多い状況になっている。その後、成長する中で色々な物に触れることで、細菌やウイルスに反応する免疫細胞が活発になりバランスがとれる。その小さい時にあまりにも綺麗な環境の中で細菌やウイルスに触れないと、生まれた直後のアレルギーに反応する細胞が過剰にある状況がずっと続いてしまい、年齢が重なった時に後々「花粉症」になる。

第一子の場合は家の中に大人しかいない状態であり、細菌やウイルスが少ない傾向にある。そのため、細菌やウイルスに触れる機会が少なく、生まれた直後のバランスが崩れたまま大人になってしまう。それに対して、 第二子や第三子の場合、兄や姉が家の中にまき散らした多くの細菌やウイルスを小さい時から取り込みながら成長することになる。その結果、細菌やウイルスに対する免疫細胞が増えて、バランスがだんだん改善され、後々アレルギー症状である「花粉症」になりにくい。

つまり第一子は家に他の子どもがいない状況で成長するため、細菌やウイルスなどに対する免疫細胞が発達しにくい状況にあり、寄生虫や花粉などのアレルギーに対する免疫細胞が優位なままなので「花粉症」になりやすい。

その他にも若い女性よりも若い男性の方が花粉症になりやすかったり、誕生日が花粉の飛ぶ時期であればあるほどその確率は高くなるなどの調査結果がある。また、遺伝的要因があり、両親がアレルギーを持っているとその子どもは約60%の確率でアレルギーを持つと言われている。

2018/12/1

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カテゴリー「生活・科学

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