防弾チョッキにも使用されるカスタード

アメリカのトランプ大統領の就任パレードの時には、厚さ20cmもある防弾ドアの付いた大統領専用車が使用され話題にもなった。

アメリカのような銃社会において、銃から身体を守るために着用するのが防弾チョッキである。通常の防弾チョッキの素材は、幾重にも織り込んだ強靭な繊維が基本である。そんな防弾チョッキにはスイーツのカスタードを素材にしたものもある。

流体には「ニュートン流体」と「非ニュートン流体」という2つの種類が存在する。ニュートン流体とは、状態が変わっても粘り気が変わらない流体のことで、コーヒーや紅茶、ハチミツ、食用油などが該当する。一方、マーガリンは塊だと動かないが溶けると液体状になり動く。与える力によって粘度が変わるなど、ニュートン流体に当てはまらない流体を非ニュートン流体といい、ケチャップやマヨネーズ、ヨーグルトなどが該当する。

非ニュートン流体の中には一気に力をかけると一瞬で固まるものもある。それがカスタードに含まれる「コーンスターチ」である。コーンスターチは、トウモロコシから作られたデンプンであり、水に溶けない。コーンスターチを水と混ぜたものを作ると、それは強い衝撃を加えると固くなり、加わる力がなくなると液状に戻るという性質を持つ。この性質により銃弾を防ぐことができる。

以下の動画は海外で行われた実験で、プラスチック板に挟まれたカスタードが銃弾を止める様子が映っている。

カスタードだけではなく他の素材も使用されるが、カスタードの性質を利用した液体防弾チョッキも開発されている。その防弾チョッキは従来のものより薄く軽量化され、より動きやすいものだという。

リンクWikipediaYoutube

2019/1/8

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「生活・科学

関連記事