「カルシウムが不足しているとイライラしやすい」という俗説を聞いたことがあると思われるが、イライラするのとカルシウム不足は無関係である。
血液中のカルシウム濃度が下がってもイライラするということは起きない。なぜイライラとカルシウムが関係すると言われてきたのか。
昔、ホットミルクを飲んだらイライラが収まることから、イライラするのはカルシウムのせいだと考えられていた。しかし、それは単に温かいもの、栄養があるもの、血糖値が上がるものを体に入れることで、空腹が抑えられ、結果としてイライラが収まったというだけで、カルシウムは何の関係もなかった。ただし、今でもイライラとカルシウムが関係するという意見もあるようだ。
ちなみに、血液中のカルシウム濃度が低下した場合、体は恒常性を保つ働きがあるため、カルシウムの貯蔵庫である骨からカルシウムが溶け出し、血液に送り込まれる仕組みになっている。血液中のカルシウム濃度が一定に保たれるように調節機能が備わっている。
2019/1/19
カテゴリー「生活・科学」