街でもよく見かける「足ツボ」の看板。足の裏のさまざまな場所を刺激することで、その痛みとともに体が楽になる。
その店内に貼ってある図解などでも足裏は全身につながっているように説明されている。しかし、足の裏のツボはたった1か所しかない。東洋医学のツボの教科書では、足の裏には「湧泉(ゆうせん)」というツボしか記載されていない。なぜ、足のツボ以外の場所のことを「足ツボ」と呼ぶのか。
一般的に「足ツボ」と呼ばれているものは本来「リフレクソロジー(reflexology)」と呼ばれるもので、アメリカの医師が発見した。それは東洋医学で言うところの「足ツボ」を押さない施術である。東洋医学のツボはピンポイントの「点」であるのに対して、アメリカ生まれのリフレクソロジーは「面」でとらえる。リフレクソロジーでは足の裏を広範囲に刺激することで、臓器などの疲労改善を図る。
店側も「足ツボ」ではないと知りながら「足ツボ」と表記している。それは「リフレクソロジー」という言葉が一般に浸透していないためであり、多くの人に分かりやすいように「足ツボ」という言葉を仕方なく使用している。
2019/2/3
カテゴリー「生活・科学」