人の腕には血管があるが、手首の静脈などその血管の色は青っぽく見える。しかし、この血管が「青色」に見えるのは「目の錯覚」である。
事実、理科の教科書や医学書にも「静脈血は青色調に見える」と記載されている。しかし、静脈は青く見えるが一点で見ると青色ではない。では、血管は本当は何色なのか。
青く見える血管は実は「灰色」である。これは「色の対比」と呼ばれる現象で、血管の周りには色々な肌の色があり、それによって起こる錯覚の現象である。人の目は周囲の色との対比によって、そもそもの色を異なる色に錯覚することがあり、血管の色は灰色と肌色が混在することで、青色に見えていた。
パソコンで腕の写真から手首の静脈の色を一点で抽出して画像処理ソフトで解析してみると、その色は「赤に近い灰色」で青色は全く入っていない。つまり、静脈の色は周囲が赤いため青く見えていた。青く見える手首の血管の色は、本当は「赤系統の灰色」である。
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2019/1/28
カテゴリー「生活・科学」