「ビフテキ」は、肉料理の一種であるビーフステーキを意味するが、「ビーフステーキ」の略語ではない。
「ビフテキ」は、英語の「beef steak」(ビーフステーキ)の略語だと思われがちだが、「ステーキ」を意味するフランス語の「bifteck」(ビフテック)が語源であるとする説が有力である。
ビーフステーキは、フライパン等の鉄板、または金網を使用して直火焼きするなど、牛の厚切り肉を焼いたステーキである。「ビーフステーキ」の語源は、インド・ヨーロッパ語族の古ノルド語で「串に刺し焼いた肉」を指す「steik」からとされ、イギリス・ロンドンで切り身を焼く形になった。
日本語ではビーフステーキの略語として古くは「ビステキ」とも呼ばれ、正岡子規や夏目漱石、和辻哲郎、山田風太郎らの作品に記されている。「ビフテキ」や「ビステキ」がレストランなどで使用されることは現在では少ないが、店名の一部や「ビフテキ丼」などの形で用いられることはある。
また、「ビフテキ」という名称がかつて流行したことがあり、これをビーフステーキの略称と考えて、「豚のステーキ」を「トンテキ」(豚テキ)とする応用的な命名がされた時代もあった。現在では「豚テキ」が辞書に掲載され、三重県の「四日市とんてき」は四日市市の名物料理となっている。
2019/2/8
カテゴリー「語源・由来」