「割り箸」は、割れ目が入れてあり、二つに割って使う。しかし、その名前は「割る箸」に由来するものではない。
「割り箸」は「木や竹を割って作る箸」という意味でその名前が付けられた。昔は木の目に沿ってナタで割って作っていた。現在のような「割って使う箸」になったのはその後のことである。
ちなみに、割り箸の発祥は奈良県の吉野地方とされている。江戸時代から、吉野杉で作られる樽の余材を利用して割り箸が作られていた。割り箸の素材としては、もともと杉のほかに竹を用いて作られていたが、檜やエゾ松なども多く利用される。その他、普及品には白樺やアスペン(ホワイトポプラ)などが用いられることもある。
現在では、日本の割り箸の消費量は年間およそ250億膳でその9割以上が中国などからの輸入品である。過去には中国が森林を保護する目的で、日本への割り箸の輸出を規制したこともあり、その時に木製割り箸の代替品としてプラスチック製の割り箸も開発された。近年では成長の早い竹を使った竹製の割り箸への転換も進んでいる。
また、割り箸の袋には「おてもと」と書かれていることが多いが、これは「手もと箸」を丁寧に呼んだものである。懐石料理など日本料理の盛り鉢には普通「取り箸」が添えられるが、取り箸に対して、各自が使う箸が手もと箸である。
2019/2/10
カテゴリー「語源・由来」