カップ焼きそばだけ内側がツルツルの理由

昔からスーパーやコンビニでお馴染みの定番商品「カップ焼きそば」。日本人の年間消費量は5億2000万食にもなる。

カップ焼きそば

最近発売された「ペヤング パクチーレモンやきそば」や「一平ちゃん夜店の焼そば すだちポン酢マヨ醤油味」など、多彩な商品開発により近年再ブレイクしている。

そんなカップ焼きそばの人気を陰で支えているのが容器の技術革新である。開発当初は1枚の発泡スチロールの板をプレスして形を作る時に、曲がった部分が薄くなり破れやすいのが課題だった。そこで試行錯誤の末、温度や圧力を微妙に調整することで断面の厚さが均一な容器を実現した。今では複雑な形でも大量生産が可能になった。

そんなカップ焼きそばの容器はカップラーメンの容器と表と裏が逆になっている。カップラーメンの容器は内側がザラザラだが、カップ焼きそばは内側がツルツル。外側はその逆でカップラーメンはツルツルで、カップ焼きそばはザラザラである。確かに逆になっているが、これには主に2つの理由がある。

カップラーメンとカップ焼きそばが完成し、食べようとする時に大きな違いがある。カップラーメンはほとんどかき混ぜることなく食べ始めるが、カップ焼きそばはソースを全体に絡ませるために何回もかき混ぜてから食べる。カップ焼きそばの場合、カップの内側にツルツルした素材を貼り合わせることで、より滑りやすく麺とソースを混ざりやすくしている。

カップ焼きそばの容器は内側も外側もツルツルがベストのようにも思えるが、ツルツルの面を外側にもってくると滑りやすい素材のため、お湯を切る時に誤って手を滑らせてしまう可能性があり、火傷につながってしまう。そこでカップ焼きそばの容器は外側をザラザラにすることで湯切りの際の滑り止めの役割を果たしている。

ちなみに、カップ焼きそばは2000年から包装フィルムに包まれて販売されているが、これにもザラザラとツルツルの表裏が関係している。表側がツルツルのカップラーメンの容器は印刷しやすいようにフィルム加工がされている。しかし、表側がザラザラのカップ焼きそばの容器はその加工ができない。商品名や原材料を奇麗に表記するための工夫が、カップ焼きそばではお馴染みとなっている包装フィルムである。

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2019/3/16

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カテゴリー「食べ物

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