クモの糸で弦を作ったバイオリンがある

美しい音色を奏でるバイオリンだが、その弦には様々な素材が使われる。一般的には大きく分けて、ガット弦、スチール弦、ナイロン弦の3種類がある。

ガット弦は、羊の腸を用いたもので、古くから弦楽器の弦として広く使われてきた。スチール弦は、ガットに代わる素材として開発された弦で、金属の線が用いられる。ナイロン弦は、ナイロンのほか様々な合成繊維が用いられ、その芯材にアルミや銀の巻き線を施した弦が主流となりつつある。

そんなバイオリンの弦の素材に「クモの糸」が使われたものがある。製作したのはクモの糸を40年以上研究する奈良県立医科大学・大崎茂芳名誉教授である。

大崎茂芳名誉教授

この大崎名誉教授と共に写っているバイオリンがクモの糸で弦を作ったバイオリンで、一見すると普通のバイオリンだが、4本の弦のうち3本がクモの糸でできている。このクモの糸でできた弦は、1本あたり約1万5000本のオオジョロウグモの糸を束ねて作っている。

クモの巣は横糸が粘着性のあるベタベタした糸で、命綱とも呼ばれる縦糸が強度に優れ、ベタベタしない糸でできている。その縦糸の強い糸のみを長年かけて採取し、簡単に切れない丈夫な弦を作ることができた。クモの糸で作ったバイオリンは優しい温かい音色がするという。

このバイオリンができたことで、クモの糸がバイオリンの弦として十分に使えることが証明された。また、「クモの糸研究」の第一人者である大崎名誉教授は、音を通じて文化に貢献したとして、一般社団法人・日本オーディオ協会が顕彰する「音の匠」に選ばれた。様々な可能性を秘めたクモの糸は、衣類や手術の縫合糸、自動車部品への応用も期待されている。

リンク奈良県立医科大学産経ニュースWikipedia

2019/4/9

スポンサーリンク

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「生活・科学

関連記事