視力検査に1.1がない理由

健康診断や眼鏡を作る時などに行う視力検査では、視力表を使うことがある。多くの場合、その視力表には1.1がない。

視力表

視力表には、ひらがなや、ランドルト環と呼ばれる一ヵ所が欠けた輪が一面に書かれている。ちなみに、ランドルト環は、フランス・パリで活動したスイスの眼科医エドムンド・ランドルト(Edmund Landolt、1846~1926年)によって開発され、彼の名前がそのまま名称となっており、世界共通の視力検査用の記号である。そんなランドルト環が使われる視力表では、0.1から1.0までは0.1ずつ増えていく。しかし、1.0の次は1.2、その次は1.5、2.0となっている。

視力とは、ランドルト環の開いている方向を識別することによって、2点が離れていることを見分けられる最小の「視角」を測定するものである。視力は視角の逆数で表され、「視力=1/視角」となる。日本では直径7.5mm、太さ1.5mmの円の一部が1.5mm幅で切れている環を5m離れたところから見て正確に切れている方向が分かる能力を「視力1.0」としている。

視力0.1とは環の開いた幅が視力1.0の10倍で、環は直径75mm、15mm幅で切れている。視力は逆数になっているため、視力0.1と0.2だと環の差も大きい。しかし、視力1.0と1.1だと環の差が小さく、ほとんど違いがない。視力の定義の性質上、視力1.0以下のそれぞれの差は大きいが、視力1.0と1.1の差はほとんどないため、視力1.1を測る必要がなく、視力検査には1.1がない。

リンクニデックWikipedia

2019/4/25

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー「生活・科学

関連記事